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日々の出来事等を徒然と。偶に鬱状態になるので御注意下さい。   
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保健室に重い空気が漂う。
荒川未結が生きている・・・それも何者かに監禁されて・・・
蓮樹は今迄の事から何が起こったのかと思考を巡らせる。
犯人の目的は一体何なのだろうか?
荒川未結に霊感がある事と何か関係があるのだろうか?
騎羅畏が言った言葉にも疑問が湧く。
騎羅畏は自分は『特殊』だと言った。だから心配は要らないと・・・
「・・・解らない・・・」
数々の謎に悩む蓮樹を紅実は黙って見詰る事しかできなかった。

泡海ヶ原学園、屋上。
二つの影が対峙する。それは殺鬼と黒寿だ。
殺鬼が今回の事件について口を開く。
「今回の件、恐らく犯人は荒川の母親だろう」
「荒川さんの、御母さん?」
黒寿に訊き返され、静かに頷く。そして続ける。
「荒川は母親と二人暮らしだ。8歳の時、父親が別の女と関係を持ち、
その事を荒川の母親に知られ、離婚した。そして愛人の女と付き合っているらしい」
「へぇ、そりゃ辛かったんだね」
黒寿の言葉に感情は無く、只笑うだけだ。
「それ以来、荒川の母親は男に対する異常なまでの拒絶反応をするようになった。
その分、娘に依存し執着し始めた。娘だけは誰にも渡すまいとな。」
「って事は荒川さんが監禁されてる理由は彼女が恋をしたからだね。」
「そう言う事になるな。荒川には霊感があった。荒川自身はそれを嫌がっていたが
ある時、その霊感で自分と同じ霊感を持つ者を見つけ、恋に堕ちた・・・
それを母親に打ち明けた時、母親が発狂し、荒川を監禁した・・・」
「成程ね。それなら全て筋が通る」
「だが、問題は死体だ」
殺鬼は眉間に皺を寄せて言う。
「あの偽物の死体を如何用意したのかが問題だ」
殺鬼の疑問は直ぐに消えた。
「あーあの偽物死体作れる人、僕の知り合いに居るよ」
「!?」
黒寿の思いもよらない言葉に絶句する。
そしてある事に気付く。
死体を作ったのが誰なのか・・・確かにそれは奴にしか出来ない事だ。

煉瓦造りの古風な店の前に黒いドレスに
身を包んだ(くるんだ)少女が立っている。
紫色の長い髪、黒い大きな帽子を被り直し、店の扉をゆっくり開く。
カラン
扉に付いていた小さな鐘が鳴る。
「いらっしゃいませ。あら、随分珍しい御客様ね」
店の奥から小麦色のローブを来た少女が現れた。
店の中は薄暗く、大量のマネキンで埋め尽くされている。
「今日は何の御用でしょうか?
死神界四大貴族覇月家当主覇月迷砂(はづきめいさ)さん」
迷砂は静かに口を開く。
「相変わらずお喋りだな。騎羅畏真龍(きらいまろん)・・・
私が此処に来た理由、解っているのだろう?」
迷砂は大きな眼を細め、真龍に鋭い視線を向ける。
「人体偽造・・・頼まれたのだろう?人間の女に・・・」
静かにそう言うと、真龍の笑顔が消えた。
「・・・・・」
「人間の女に世にも奇妙な死体を作ってくれと頼まれたのだろう?」
数秒間の沈黙。
沈黙を破ったのは真龍だった。
「ええ、来たわ。いかにもヒステリックそうな人間の女がね。」
真龍はふうと溜息を吐き、心底嫌そうな顔をした。
「作らないと帰ってくれそうになかったのよ。だから仕方なく作ったの。
あの女・・・完全にイカレてるわ・・・・。」
死神である真龍がイカレていると言うほどの狂った人間・・・・
迷砂は疑問をそのまま口にする。
「イカレているとは、どのようにイカレているのだ?」
真龍は床に置かれたマネキンを指さす。
マネキンを一つ手に取り、そのマネキンの首から下を捥ぎ取る。
そして首だけになったマネキンにポケットから取り出した紅い管を巻く。
それはまさしく荒川未結の死体そのものだった。
「あの女はこう言ったわ。『娘の死体を作ってくれ』と。
そして完成品を見せたら涙を流して喜んでたわ。
偽物とはいえ娘の死体なんて見て喜ぶ親なんて居ないわ。
まるで・・・本当に娘を殺したがっている見たい・・・」
家族、親子、母親、子供・・・迷砂の中で何度もその言葉が再生された。
自分にも双子の子供が居る。
仕事第一の為殆ど世話をしていない為真龍に預けているが
果たしてその子たちが自分を如何思っているのか?
疑問は持つもののそれは直ぐに消え去った。
今は育児の事よりも仕事だ・・・と。
「今回の件、貴様は被害者・・・と言うわけか」
「ええ、そうよ。」
迷砂は扉の方を向いて店を出る前にこう言った。
「次にあの女が動いた時、全てが終わる」
「またいらっしゃって下さいね~」
真龍の言葉を無視して店を出ると、歩きながら呟く。
「人の域を超えし愚かな者には終焉を・・・」

泡海ヶ原学園の小等部で心愛と心が
何かを察知したようにピクリと跳ねる。
互いの顔を見合わせてぽつりと呟く。
「御母さんが近くに居る・・・」
「凄く、怒ってる」
互いの体を強く抱きあい、そう呟く。

「助けて・・・・誰か助けて・・・・御願・・・・此処から出して・・・」
薄暗い部屋の中、荒川未結は携帯電話を握りしめている。
携帯電話のボタンを押し、助けてくれとメールをする。
メールを送信した時だった。
「・・・未結・・・・?」
扉が開くのに気付いた未結の体が大きく跳ねる。
「ひっ!」
部屋に入って来た女の手には包丁が握られている。
女はふらふらと未結に歩み寄る。
「御母・・・さん」
「ねぇ、それ、何?」
女が指さしたのは未結が握りしめている携帯電話だ。
「まさか、それで外に連絡してたの?」
女の口調が荒くなる。
「ねぇ?そうなの?そうなの!?未結!?」
女の怒声に尚も怯える未結に女が冷たく言う。
「未結、それを渡しなさい」
女の言葉に未結の顔が強張る。
「い、いや・・・これだけは・・・駄目・・・」
体を震わせて怯える未結に女は続ける。
「早くそれを渡して?」
「いやぁ・・・・これだけは・・・絶対に渡さな・・・・い・・・」
未結の首筋に冷たいものが当てられる。包丁だ。
「未結、貴方に選択権も拒否権も無いの。これは命令よ。」
その言葉で釘を刺し包丁の刃で未結の首筋を撫でる。
包丁の冷たい刃が当てられるたびに心臓がびくんと跳ねる。
「返事は?」
感情の無い問いかけに俯く。
「・・・はい・・・」
そう言って握りしめていた携帯電話を女に手渡す。
「良い子ね、未結」
未結の頭を優しく撫でると渡された携帯電話を開き、
送信履歴を見る。そしてそれを確認した女の顔が不気味に笑った。

泡海ヶ原学園保健室。
堕國蓮樹は白い紙に文字を書いていく。
その様子を紅実が不思議そうに見つめている。
「蓮樹、何してるですか?」
背後から覗きこむ紅実に視線を移す。
「コックリさんだよ」
「コックリさん?」
復唱する紅実に「うん」と答える。
「コックリさんに今回の事件の事について訊こうと思うんだ」
「コックリさんにですか?」
「そうだよ。さ、カーテン閉めて、電気消して・・・・」
手際良く作業を進める。
紙の上に置かれた十円玉に指を載せる。
触れられない指が十円玉に載せられる。気分だけでも、と言う事だろう。
「コックリさんコックリさん、鳥居の中からおいで下さい。
若し宜しければ質問にお答え下さい」
蓮樹の言葉に反応して十円玉が『はい』の方へ動く。
「有難うございます」

コックリさんを終えて保健室のカーテンを開けるとふぅと息を吐く。
「この事件、荒川さんと校内怪奇事件は無関係みたいだね。」
「そうなんですか!?」
紅実が驚いたような顔で言う。
「うん。さっきコックリさんが言ってただろ。
校内怪奇事件は人の仕業ではなく霊の仕業だって・・・
それなら荒川さんの件とは関係無いだろ?」
「そう言われてみたら、そうですね・・・」
紅実のおどけた言葉に付け足すように言う。
「先ず(まず)、最初の窓硝子に罅が入る現象、
これは霊達の無念の叫びによるもの。
次に理科室の標本が動く現象だけど、これも霊の不満を行動として
示しているだけなんだ。
最後の音楽室の不気味な歌声は悲しい霊の心の叫び。」
「す、凄い!あれだけのヒントで此処まで解るなんて!」
紅実の関心の声に「そんな事ないよ」と返す。
外はすっかり日が沈みかけていて、少しずつ暗くなっていく。
生徒達が下校し始めているのも解る。
蓮樹は鞄にノートと教科書を入れ、ベットの皴を掻き消すように整える。
「帰ろうか」
「はいです」
鞄を持ち、保健室の扉を開こうとしたその時だった。
「堕國君?」
「先生・・・」
騎羅畏だ。保健室の電気を点け、蓮樹を見詰る。
「如何したの、電気消して・・・」
「いえ、何でも無いです」
騎羅畏は「そう」と返すと腕を組んで蓮樹を見る。
「堕國君、今日は先生と一緒に帰らない?」
「え?一緒に・・・ですか?」
「そうよ。若し下校中に襲われたら大変でしょう?」
確かに運動神経から考えるに蓮樹が犯人を退けるのには無理がある。
体力もある方ではないし、腕力があるわけでもない。
「大丈夫よ、若しもの時は先生が堕國君を守るから」
騎羅畏の言葉に複雑な気持ちになりながらも「はい」と答える。
すると、保健室の扉に影が蠢いた。
それは保健室内の人間に視線を注ぎ、にやりと笑う。
こちらに気付いていない事を確認すると
それは勢い良く保健室の中に飛び込んだ。
ドスッ!
背後からの攻撃に騎羅畏の体がぐらりと揺れ、床に倒れる。
白い白衣には紅い鮮血が滲んでいる。
何が起こったのか理解出来ないで茫然とする蓮樹に紅実が言う。
「蓮樹!逃げて!!」
その言葉に我に返ると、目の前に横たわる騎羅畏に視線を向ける。
騎羅畏の腹部からは赤い血が溢れ出す。深く突き刺されたのだろう。
「先生・・・先生!」
蓮樹の方を女の視線がとらえる。
長い前髪から覗く鋭い眼。
「見つけたわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
未結の初恋さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
女の言葉に怯える。
今、自分を守ってくれると言った人間が自分の目の前で横たわっている。
この状況、如何考えても不利なのは蓮樹の方だ。
女がゆらりと蓮樹に近づく。
「初恋?何の・・・事?」
怯えながらも疑問を口にする。
女の目が不思議そうに揺らぐ。
「あらぁぁぁぁぁ?気付いて無かったのぉぉぉぉ?
それなら貴方は悪くないわぁぁぁぁぁぁぁ。
でも、それなら貴方を殺せないわねぇぇぇぇ・・・・困ったわぁぁぁ」
女が更に蓮樹に近づく。そして蓮樹の頬に手を当てる。
頬を撫でる指が蓮樹の唇をなぞる。
そして不意に蓮樹の口内に押し込まれる。
「ん!?」
突然の事に動揺する蓮樹に女が笑う。
「決めたわぁぁぁぁぁぁぁぁ!貴方は、生きた標本にしてあげる!」
女の狂気に満ちた目が蓮樹を凝視して笑う。
危機感を感じた蓮樹が思わず女の指を咬む。
「あっがぁ!」
女の悲鳴とともに蓮樹の口が解放される。
息苦しさと眩暈に襲われながらもその場に倒れないよう、足を踏ん張る。
女が指の痛みに怒りの視線を向ける。
「こんのぉぉぉぉぉぉ糞餓鬼がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!殺してやるっ!!」
雄叫びの様に叫び、血の滴る包丁を振り上げて
襲いかかって来る女に目を閉じる。
「!?」
「これ以上、私の大切な生徒を傷付けはしないわ!」
騎羅畏だ。
さっき背後から攻撃されて倒れた騎羅畏が今度は蓮樹の目の前で
振り下ろされた包丁の刃を握っている。
手が包丁の刃に刻まれていることなど気にも留めず
暴走する女を見詰る。
「やっぱり・・・生きてたんですねぇ?先生ぇ?」
女の目が不愉快そうに揺らめく。
「あの程度で私は倒れないわ。私は貴方達人間とは違うの」
そう言った時、女の腹部に騎羅畏の蹴りが入る。
「ぐふぅ!」
続けてもう一撃加える。女の体勢がふらつき、窓の方へ後ずさる。
「おのれ、今度は・・・絶対に殺してやる!絶対に!!」
そう言い残して女は窓から脱出する。
手と腹から血を滴らせている騎羅畏に蓮樹が歩み寄る。
「先生!大丈夫なんですか!?」
騎羅畏は穏やかに笑う。
「ええ、大丈夫よ。言ったでしょ、私は『特殊』だって。」

薄暗い部屋の中、荒川未結が部屋の隅に座っている。
不意に部屋の扉が開いて、体が震える。
「荒川未結、迎えに来た」
素気なく放たれた言葉が母親のものではない事に驚き、
声の主に視線を向ける。
黒衣に深紅の髪・・・見覚えのある顔立ち・・・
「安心しろ、私はお前の味方だ。」
そう言って鎖を日本刀で斬る。

拘束から解放された未結は黒衣の少女に言われるまま、少女に着いていく。
「あの、貴方は誰?何処に連れていくの?私はこれから如何なるの?」
「質問が多いぞ。」
冷たく放たれた言葉に眉をひそめて訴える。
「じゃあ、せめて名前だけでも教えてくださいよ」
未結の言葉に溜息交じりに答える。
「天音殺鬼だ。これで良いだろう?さっさと来い」
そう言って連れて行かれたのは泡海ヶ原公園だ。
深夜なので人が居る訳も無い。
不気味なほどの静寂に辺りを見渡す未結に新たな声が聞こえる。
「こんばんは、荒川さん」
「え!?」
声のした方向には誰も居ない。
「殺鬼、彼女にあれを。」
「解っている」
殺鬼の腕が未結の腹部に突き刺さった。
「な!?」
そしてそれが勢いよく引き抜かれたときだった。
痛みも傷も無く、只さっき其処に居なかった人物が見えるようになっていた。
「こうして話すの、初めてだよね。」
「儚射君?」
「覚えててくれたんだ~嬉しいな~」
黒寿と未結の遣り取りを静かに見つめる殺鬼。
「実はね、今日は荒川さんに大切な話があってね」
「大切な話?」
「うん。今の御母さんの事、荒川さんは好き?」
「・・・それは・・・・昔は好きだった・・・でも・・・今は怖い」
途切れ途切れにそう言うと、黒寿の言葉が降って来る。
「じゃあ、居なくなっても良いよね?」
黒寿の言葉の意味が理解できず「うん」と返す。
その時、黒寿の口が笑みを作った事に、未結は気付かなかった。

誰も居ない薄暗い部屋に怒声が響く。
「未結!未結ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!何処なの!?未結っ!!」
物を投げつけ、部屋中を荒らす。気が狂ったように発狂しながら部屋中を探す。
すると突然其処に黒い影が現れた。
「貴様の娘はもう居ない」
「誰!?」
其処に居たのは黒いドレスを見に纏った少女だった。
それはまさしく迷砂だ。
「貴様の娘は貴様が消える事を望んでいる」
「そんな訳ない!そんなの嘘よ!
如何して!?如何して皆私の邪魔をするの!?」
女は髪を搔き毟って尚も叫ぶ。
その悲惨な姿に無表情に言う。
「哀れだな」
「!?」
迷砂は右手を振り上げ左手の袖に忍ばせる。
引き出された時、右手に握られていたのは巨大な斧だった。
「な、何!?」
状況が理解出来ず目を丸くする女に一言告げる。
「死神には死神の大鎌と特殊能力が存在する。
大鎌の形、死神の特殊能力はそれぞれ違う。
私の場合、この斧が死神の大鎌だ。そしてこの大鎌の能力・・・・」
そう言いながら女の頭上から斧を振り下ろす。
見事に真っ二つに切れた。
だが女の意識はハッキリしており、悲痛な声を上げる。
「ひっあ・・・・や・・・だ・・・・」
「この大鎌で斬り捨てた者はこの世の輪廻から除外され、
来世生まれ変わる事は出来ない。
文字通り『消失』するのだ。永遠の闇へ・・・」
その言葉ともに女の体が歪にくねり、欠片となって崩れ、消えていく。
そして迷砂もその場を後にする。

翌朝、保健室の扉を未結が開く。
本を読んでいた蓮樹が未結の方を見る。
「荒川さん?」
「堕國君・・・」
未結の顔は真っ赤だった。そして伏せた顔を上げて蓮樹に近づく。
震える心臓の音を抑えて、蓮樹に視線を注ぐ。
「堕國君、実は私・・・貴方の事、好きなの!」
未結の言葉に驚くが、一瞬でその表情が消える。
「・・・御免、僕にはそういうの良く解らないんだ。
こんな中途半端な気持ちじゃ荒川さんを傷付けるだけだと思う。
それに荒川さんにはもっと良い人が居ると思うよ。御免ね」
蓮樹の言葉に涙を浮かべつつ笑顔で答える。
「ううん、私の方こそ御免」
そう言って未結が保健室を立ち去ると背後から紅実が問う。
「如何して断ったのですか?」
「僕は、疫病神だから・・・・」
「そんな事ない!疫病神は他の人の事、心配しないです!!
蓮樹は優しい、素敵な人です!!」
「紅実・・・」
とん。
蓮樹の方がぴくりと跳ねる。
「如何したんです?」
「・・・・音がする」
「音?」
そう訊き返したときだった、紅実の体が震えだす。
「紅実?」
「く・・・る・・・・・来る・・・・・」
「来るって、何が?」
「来る・・・そ・・・・さ・・・い・・・・・・が・・・・く・・・る」
途切れ途切れの声に呼応するように『音』が近づく。
「こんな所に居たんだね、紅実」
壁から青い髪の少年が現れた。
それは紅実そっくりの少年だ。
少年が蓮樹の方へ歩み寄る。
「初めまして、鬱海蒼裁(うつみそうさい)と言います。」
緊張が走る。

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